販促コンサルタントの岡本達彦です。
ビジネスの世界で成功を掴むには、「お客様目線」が決定的に重要です。
なぜなら、真の価値を創造し、売上を生み出す源泉は、そのすべてが
「お客様」から始まるからです。
そんな「お客本様目線」を本質から理解し、具体的に実行に移すための
考え方をシリーズでお伝えしていこうと思います。
一人でも多くの方が「お客様目線」の視点を持つことで、
より良いビジネス環境を作り出せると確信しています。
この記事があなたのビジネスに新たな視点をもたらし、
同時に周りの人々にもその思考が広まるきっかけとなることを
願っています。
それでは、いきましょう。
今回は
『「お客様」と「売り手」の関係、 4つのモデルとは?』
です。
お客様は、「自分たちが無理なくできること(本当の強み)に、
喜んでお金を払ってくれる人」でなければならない。
それをWin-Winの理想モデルとすれば、売り手と買い手の関係は
4パターンに集約することができます。
(1)お客様が喜ぶ、自分たちも無理がない Win-Win:理想モデル
つまり、これが理想系ということです。自分たちは無理をしていないから、
スタッフも働きやすいし、経営者も「さらに会社を大きくしたい」と思えます。
それに加え、働き手は楽しみながら好きなことをしているわけですから、
お客様も気持ちよくお金を出せるし、クレームが起こることも少ない。
よって利益も出やすく、スタッフも辞めないので、会社やお店が
繁栄することになるわけです。
(2)お客様が喜ぶ、自分たちは喜ばない Win-Lose:奴隷モデル
この形で典型なのが、低価格路線で失敗するケースでしょう。
周りのお店に勝つため、儲もうけがギリギリになるくらいまで
価格を下げて販売。
その結果、いくら働いても利益が上がらず、だんだんと自滅していく
ようなケースです。
物価上昇の時代に呼応して、現在は低価格を売りにするお店も増えています。
しかしそのようなお店は、利益を出すために、売れ残った不良在庫をかき集めたり、
通販ショップの返品の品を引き取ったり、普通の商売とは違うやり方をしています。
ですから、ただ単に価格を安くするような形でやっていけば、どこかで破綻して
しまいます。
安く売るために労働者を低賃金で働かせるような会社も、この働き手市場で
段々と淘汰されていくようになりました。
(3)お客様が喜ばない、自分たちは喜ぶ Lose-Win:詐欺モデル
悪徳訪問業者のように、お客様の要望に応えていない商品を高額で売りつけて、
利益を確保したら自分たちは逃げていく……。
当然ながら世の中にあってはならない「詐欺モデル」の商売ですが、
効果が認められない健康食品や、怪しい投機商品など、現在もこの種のビジネスは
たびたび問題を起こし、ニュースなどでも話題になっています。
(4)お客様が喜ばない、自分たちも喜ばない Lose-Lose:商売にならない
「お客様目線」を完全に読み違え、見当違いの商品やサービスを行なってしまった
ケース。いずれにしろビジネスとしては失敗ですから、早めに方針転換をしないと、
損失はどんどん広がっていきます。
近年でこうした失敗に、あるコンビニがつくり出した食品のプライベートブラン
ドがありました。それは無地にタイトルだけのシンプルなパッケージのシリーズだ
ったのですが、「NATTO(納豆)」「ABURA-AGE(油揚げ)」「MENTSUYU(めん
つゆ)」などとローマ字表記された食品は、そもそも何の商品かを認識されず、「わ
かりにくい」として大批判を浴びてしまいます。
結果、そのコンビニは530点におよぶ商品のパッケージを、すべて画像入りの
わかりやすいものに切り替えていくことにしました。損害を恐れず、早めに大がか
りな修正を行なったことで、結果的にはお客様の要望に応えたわけです。